環境要因と喪失感が引き金|認知症と間違えやすい要注意の老人性うつ|治療で必ず治る病
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認知症と間違えやすい要注意の老人性うつ|治療で必ず治る病

環境要因と喪失感が引き金

悩むメンズ

老人性うつは、環境による要因と度重なる喪失感を味わうことで発症するといわれています。環境要因は、年齢が高くなるにつれて起こる生活習慣や周囲の状況の変化を指しています。若い頃であれば毎日仕事を行なっているため、体を動かすことや業務による脳への刺激によって、脳の働きを活性化させることができます。しかし、定年退職後は家から一歩も出ずに生活する人が多いので、変化のない環境が徐々にうつ病のリスクを高めてしまうのです。うつ病に罹患すると、脳内に分泌される神経伝達物質が減少するため、脳機能が低下することがあります。逆に脳が刺激を得にくい環境に居続けることで、脳がうつ病患者と同じような状態に陥ってしまい、うつ病を誘発する場合があるのです。高齢者の多くは、体が若い頃とは異なり弱っているので、若い頃のように外で遊ぶことはできなくなります。必然的に家にいる時間が多くなるため、老人性うつ病に罹りやすいのです。また、高齢ともなると体にさまざまな病変が現れることがあります。足腰に病変が現れたことで、一日中ベッドから起き上がれなくなった人は、気分がふさぎこみがちになるので、急速にうつ病になってしまうことがあります。老人ホームなどでも、入所当時は元気だったにも関わらず、足腰を痛めて立てなくなった場合、急速に認知症のような症状が現れ始めたという事例もあります。老人性うつはこうした環境や身体への影響によって起こりうるため、常日頃から体に無理をさせない範囲での運動習慣や、読書などの脳に刺激を与える趣味や習慣を身につけることで、対処することができるでしょう。

環境要因の他に、老人性うつを誘発させる問題といえば、喪失感です。年齢が高くなると、友人や知人、家族にも不幸が起きることがあります。仲のよかった人が亡くなってしまい、お葬式などに参加する機会が増えてしまうことで、強い喪失感を覚える人が多いのです。年齢が高くなっても、こうした別離による悲しさ、寂しさに慣れることはありません。立て続けに別れが起きれば、精神的にもふさぎ込んでしまうようになり、うつ病などの精神疾患に罹ることがあるのです。また、高齢になると自分の子どもも全員独り立ちしてしまうため、家に家族がいなくなってしまうことで寂しさを感じる人もいます。独り立ちした子どもは、それぞれの生活のために忙しく働くため、長い休暇でもなければ家に帰ってくることはありません。ほとんど顔を見せないので、寂しさから強いストレスを抱き、うつ病になることがあるのです。これらの別離による喪失感が原因の場合は、対策として周りの人との繋がりが重要となります。近所の人との付き合いや、子どもと頻繁に電話をするなど、繋がりを絶たないようにすることが重要となるでしょう。

老人性うつに罹患している場合、心療内科などの専門のクリニックに受診することで、治療を行なうことができます。この老人性うつを放置すると、重篤な痴呆症を誘発する恐れがあります。痴呆症は脳の萎縮を招く病であるため、放置すると治療が更に難しくなるでしょう。自分が老人性うつに罹っているかどうかは、インターネットなどを見ることでも調べることができます。ネットには、さまざまなうつ病のチェックができるサイトもあります。複数のサイトを調べ、自分にうつの徴候があるかどうかを定期的に調べることで、こうした危険なうつの対処も迅速に行なえるようになります。