治療法は通常のうつと同じ|認知症と間違えやすい要注意の老人性うつ|治療で必ず治る病
女性

認知症と間違えやすい要注意の老人性うつ|治療で必ず治る病

治療法は通常のうつと同じ

女医

うつ病などの精神疾患の治療を専門とする心療内科では、老人性うつ病への治療も行なっています。老人性うつ病は、認知症などの症状を誘発していなければ、成人へのうつの治療法と同じ治療法が適用されます。すなわち、薬物療法と心理療法の2つです。薬物療法と聞けば、多くの人が不安や嫌悪感を抱くものです。よくいわれているのが、精神疾患に使用する治療薬は使用しているうちに摂取量が増えていき、最終的には依存症のような状態になるということです。確かに老人性うつ病に罹ってしまうと、強い不安感を覚えるようになるため、精神を安定させるために、医師から伝えられた用量以上に摂取してしまう人が多くいます。大量に薬剤を摂取すると、体への負担も大きくなるため、健康を害する恐れがあります。しかし、医師からの用法用量をきちんと遵守すれば、こうした過剰摂取による問題も回避できるでしょう。老人性うつを患っている人であれば、自分の手元に薬を置いておくのではなく、信頼できる家族に渡しておくことで、大量に摂取してしまうことを防げるでしょう。

老人性うつ病に使用する薬は、SSRIという薬を使用します。この薬は、簡単にいえば脳内で分泌される神経伝達物質のリサイクルを促し、脳を活性化させることができる薬です。うつ病に罹ると、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質の分泌量が低下し、それに伴い脳の活動が低下してしまいます。しかし、SSRIを摂取することで、今まで神経シナプスに取り込まれなかったセロトニンを、再び取り込ませられるようになります。今まで無駄になっていたセロトニンが吸収しやすくなるため、脳内でセロトニンの効果が高まり、脳を活性化させやすくするのです。しかしながらこの薬は、あくまで症状の悪化を抑えるために処方されるものです。老人性うつそのものを治す治療薬ではありません。うつ病そのものを治すためには、治療薬を利用しながら同時に心理療法を受ける必要があります。

うつ病の治療を行なうための心理療法では、支持的精神療法と呼ばれる方法で治療を行ないます。一般的に行なわれる、カウンセリングのような形で治療を行なうのです。この支持的精神療法は、老人性うつを抱える患者さんの不安を取り除くための治療法です。患者さんに今の気持ちや悩みを話してもらい、医師が共感を示すことで、不安感を解消することができます。通院することで精神が安定し、徐々に気持ちの整理を患者さん自身に行なってもらうことができるのです。しかし、この支持的精神療法は患者さん自身に症状を治そうという意欲がなければ、治すことは難しいでしょう。うつ病に罹っていると、物事への興味関心も薄れ、治療をしようという意欲も減退してしまいます。そのため、ただ単に悩みを医師に聞いてもらうだけで満足してしまい、それ以上治療を進めることができなくなってしまうのです。そこで最近注目されているのが、認知療法と呼ばれる心理療法です。この認知療法とは、自分の精神状態を冷静に分析し、症状を治すために行動を起こすことで、意欲的に治すことができる方法です。毎日グラフや日記をつけ、症状改善のための行動や考えを行なった記録をつけることで、自然とポジティブな気持ちを抱けるようになるのです。この認知療法が優れているのは、治療効果が継続的に得られる点にあります。うつ病は一見治ったように見えても、ふとしたきっかけですぐに症状がぶり返すことがあります。認知療法を毎日欠かさず行なうことで、症状がぶり返すことを防ぐことができるでしょう。